独奏・曲・のための・奏者
2025.05.09(金)〜 06.01(日)
オーケストラの打楽器奏者の経験、シート・ミュージックや打ち込み音楽(DTM)の作曲経験から現代美術の表現方法をみつけだし、1960〜70年代の美術や音楽、特に「もの派」のリサーチと実践を経て、自然とおのれの身体にもインストゥルメント―楽器や道具と対等に、負荷を被ろうと試みるようになった。
『試練なき人生は生きるに値しない』というソクラテスの格言をプレイヤーとインストゥルメントの両方にしたがわせたとき、人のみならず“もの”にたいしても、死への欲動・有限性を発現させられるのではないかと考えるようになった。
もの/対象の選択(制作)は同時に、初めに選択する主体としての人間=身体を排せない宿痾があるとして、身体そのものや生成物を素材の契機にくわえることもあった。 [ClafT(中央線芸術祭)2024 上野悠河個展「閉鎖的解放」※ においてその傾向はあらわれ始めた]
本展では、身体にまでおよんだ“対象”たちをさらに均す試みとして、身体が記憶しているほどに経験された音楽と物性の手がかりから現象を拾い、組み換え、作品そして問いを導き出す。
※ 2024年10月16日㈬〜20日㈰ Open Art Platform「iru」にて開催。
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【展覧会タイトルについて】
本展の題は、「奏者のための独奏曲 (Solo piece for a player)」の単語を入れ替えたもの(単語単位のアナグラム)である。この題のもとには、プレイヤーのためにつくられた作品であるよりも、“作品のために作られたプレイヤー”として意味付けられる。プレイヤーあるいは作者をヒエラルキーの頂から引きずりおろし、要素を組み替え、インストゥルメントすなわち「もの」たちと均しく対象のひとつに据える意図を含ませた。
またサブテーマとして「3:4」を定める。これは4つの拍子の中に3つの音符(連符)を均等に入れて刻むリズム表記に基づいており、「3:4」の比率やメタファーを、作品のみならず本展のあらゆる要素のガイドとしてあてがう。
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上野悠河 個展 「独奏・曲・のための・奏者」
Yuga Uéno: Solo Exhibition “a player for Solo piece”
展示会期: 2025年 5月9日(金)‐6月1日(日)
※毎週 金・土・日曜 開場
開場時間: 13:00―20:00
観覧料: 無料
会場 : あをば荘
〒131-0044 東京都墨田区文花1-12-12
【アクセス】
京成電鉄・都営浅草線・東京メトロ半蔵門線・東武スカイツリーライン 押上駅から徒歩約14分
東武亀戸線 小村井駅から徒歩約9分
押上駅から:B3出口 or A1出口から「押上駅前交番東」の交差点を右折。交差する北十間川を道なりに進み、十間橋で左折して十間橋通りを進み、東京東信用金庫(ひがしん)が見えたら右折して直進(徒歩14分)
小村井駅から:明治通りを南下し、立花2丁目の交差点を右折し、直進して道なりに進み、コンノデンキで右折して直進(徒歩9分)
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【イベント情報】
[トーク・イヴェント](要申込・定員10名程度)
5月17日(土) 18:00〜
美術作家、三原回さんを招いて本展のトーク・イヴェントを開催します。
なお、開催中は展示がご覧いただけない可能性があります。
お申し込みフォーム
https://forms.gle/qxtz8VDiVnkrMi596
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上野悠河 Yuga Uéno
幼少期より続く現代音楽への関心、高校生までオーケストラの打楽器に所属していた経験から1960〜70年代の美術史研究を経て、現代における人間や「もの」の相互作用に潜む複雑な問題を再考するために、完璧な関与が難しい「対象」とその振る舞いや関係性、有限性に焦点を当てた作品を発表している。レディ・メイドの道具や機材、その機能を実際に利用し組み合わせたサウンド・アートやインスタレーション・アートを主軸に表現しているほか、ミュージシャン「Mus’c」(ムスク)としても活動。
主な展示に、個展「ものたちは、歌い、蔑み、愛し合った」(千葉市民ギャラリー・いなげ/旧神谷傳兵衛稲毛別荘/千葉)、「SICF23 EXHIBITION部門 受賞者展」 (スパイラル/青山, 東京)、「ZOU-NO-HANA FUTURE SCAPE PROJECT 2022」(象の鼻テラス/横浜)など。「ClafT(中央線芸術祭)」に2021年から参加・出展、千葉国際芸術祭2025「ソーシャルダイブ」に選出・出展予定。
また「SICF23」大巻伸嗣賞、「第二回ISAC国際作曲コンテスト」Special Prize (Special Mentioned)、「島村楽器 録れコン2022」グランプリなど、展示/受賞多数。
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